札幌のアシュタンガヨガの呼吸のこと
札幌でアシュタンガヨガをする人たちは、どのように呼吸しているのだろう。
僕はアシュタンガヨガを始めたときから結構最近まで、ずっと同じように呼吸をしてきました。しかしある時、これは違うんじゃないか?と疑問に思うことがあり、横隔膜の動きと骨盤底筋のことを学び直し、そこから大改革を始めました。すると、自分の中ではとても良くなったんです。深く安定した呼吸ができるようになり、何より心地良いんです。
これはみんなに伝えねば!と思い立ち、とあるクラス前に、分かりやすくするために色んな道具や解剖学の本を見せながら、呼吸のメカニズム(主に横隔膜とお腹、骨盤底筋について)を解説したのでした。結論を言うと、なんかあんまり届いた感じはしませんでした。そもそもあまり呼吸に関して求められていない(困っていない)のかもしれません。
アシュタンガヨガにおいて、呼吸の果たす役割はとても大きいと思っています。呼吸が心地よくできなかったら、アーサナでのリラックスもないし、深い呼吸ができなかったら、正しいヴィンヤサで動くこともできないでしょう。
最近のいい感じの呼吸でアシュタンガヨガをしていると、呼吸が動きを導くし、動きが呼吸を促してくれるのが、とてもよく分かります。呼吸と動作にちゃんと連動性があると、体への負担は激減するし、そして何より意識が『いま』に繋ぎ止められます。
以前の僕はマウイ島在住のNancy Gilgoff先生や恵子先生からアシュタンガヨガを教わっていました。それは所謂オールドスタイルというものです。1970年代のアシュタンガヨガでは呼吸の音を大きく出すことを重要視していました。現代のはそうでもないかもしれませんが、呼吸の音を出すことも(大きな音ではなくてもいいかもしれませんが)、とてもとても大事だと思います。呼吸の音は、動きとの連動において重要な役割を果たすと思っています。
ちょっと話は変わりますが、札幌でもいくつかアシュタンガヨガのクラスがあります。行きつけのスタジオやクラスがありつつも、他のスタジオにも行く人がいるようで、うちのアシュタンガヨガのクラスにも来てくれることがあります。そこでいつも、ほんとにいつも感じるのは、
呼吸の音が聞こえないなぁ
呼吸と動きが合ってないなぁ
余分な呼吸多いなぁ
余計な動きが入るなぁ
この4つです。これ読んで気を悪くされた人がいたら、すみません。決してディスってるわけではありません。これらの傾向を見て想像するのは、きっと、単に優先順位が違うのだろうな、ということ。
僕はできるだけ『アシュタンガ・ヨーガ(八支則)』に基づいたアシュタンガ・ヴィンヤサ・ヨガをやりたいし、伝えたい(僕の理解の及ぶ範囲内ですけど)。そのためには、ベースに良い呼吸がないとなし得ない。アライメントなんて最低限でいいから、まずは呼吸とともに動けるように練習した方がいいんじゃない?と思います。ある程度、呼吸とともに動けるようになってきたら、必要に応じたアライメントの調整をすればいいと考えています。
何を求めてヨガをし、どのように実践するかはその人の自由だと思います。ただ、そのヨガの実践があまりハッピーな方に向かってないな、と感じたら、もう一度基本の呼吸に戻ってみるのもいいと思います。