各々の良さを殺さず

2020/08/03 ブログ
低空紫陽花

札幌市東区のヨガスタジオミガクの小林です。

 

車にはいろんな種類がありますね。ビューンとスピードの出るもの、峠を攻めるように走れるもの、悪路をものともせずに走れるもの、家族みんなでキャンプに行けちゃうようなもの。挙げ出したらキリがありません。

 

それぞれに得意分野を持たせてあり、それに合わせて作られています。その姿・形には意味があって、ワインディングロードを走るのが得意な車に車高が高いものはないし、悪路を行くのに車高の低いものもありません。

 

でも、まったく走れないわけではなくて、その形だと適してはいないけど、走ることはできるわけです。よっぽど特殊なものでない限りは。

 

どうしてこんな話をするかというと、ヨガでも同じだな、と思うからです。僕はアシュタンガヨガを日々のプラクティスとして実践しているので、その観点から見て言うのですが、アシュタンガヨガのアーサナのやり方・形は、アシュタンガヨガに適したものであると思っています。今までアシュタンガヨガをする先生がこのようなことを話すのを聞いたことはないので、ただの1アシュタンガヨガ実践者の戯言として読んでもらえたらいいです。

 

現代ハタヨガのアーサナのやり方のほとんどは、アイアンガー先生のやり方の影響をとても強く受けていると感じます。とにかく直線を作る。前屈ではハムストリングを伸ばす。上体は真っ直ぐ。確かにこうすることのメリットがあるのは分かるし、しないことで一部の人に生じるデメリットも分かるのですが、これはアイアンガーヨガの練習スタイルに適したやり方だと思います。1つ1つを正確に丁寧にじっくりと。必要に応じてプロップスを使用する。そこにはアイアンガー先生の哲学があります。

 

それに対してアシュタンガヨガは、まったくスタイルが違います。呼吸と共にフローすることを重視しています。以前も紹介しましたが、Sharath先生もこのように言っていますよね。

 

Don't think that perfecting an asana makes a good practice. Don't think like that. Getting up and being on your mat, and just doing what you can, that is sufficient and that is your best practice.

 

アイアンガースタイルがperfecting an asanaを目指していないかもしれませんが、何人かのアイアンガーヨガの先生のクラスやワークショップ、リトリートに参加したとき、僕にはそのように感じられた面が確かにあったのです。その少ない経験から言っても全然違うんです。だからこそ、アシュタンガヨガにはアシュタンガヨガのアーサナのやり方があるのだと思います。

 

だけど、アシュタンガヨガだけを実践している人は少なくて、以前に違うヨガをしていたり、現在進行形でアシュタンガ以外のヨガをしている人もいます。だから、どうしても良いとこ取りをしたくなるのでしょう。

 

イメージすれば分かると思うのですが、ランドクルーザー(世界中で愛されるトヨタの名車。悪路を得意とする4WD)の車高を低くしても峠をスイスイ走ることは出来ないし、スカイラインのタイヤをデカくしてリフトアップしても、悪路を悠然と走ることはできません。形には意味がある。

 

別の表現をすれば、競馬のジョッキーの乗り方でカウボーイ的なことをする人はいないし、カウボーイ的な乗り方で有馬記念を勝つことはできない。形には意味がある。

 

マウンテンバイクの乗り方でロードバイクを速く走らせることはできないし、逆もまた然り。やっぱり形には意味がある。

 

でも、どちらもまったくできないわけではないんです。できなくないけど、適してはいない、ということです。

 

インドのゴア(街の名前)には、アイアンガースタイルでアシュタンガヨガを指導する、とても素晴らしい先生がいることを知っているし、そこの流れを汲む先生が日本にたくさんいることも知っています。だけど、僕はちょっと違うんじゃないかなぁと思うのです。それは、僕がコテコテのold schoolなアシュタンガヨガを実践した経験があるからなのかもしれないけど。

 

 

ただ、週に1回アシュタンガをやってます、とか、他のヨガも楽しみながらアシュタンガも楽しんでます、という人はなんでもいいんじゃないか、とも思います。10年初心者と言われる(それには週5〜6で練習して、という前提がありますが)アシュタンガヨガに於いて、週に1回の練習だとすれば、少なくとも50年くらいは初心者です。まぁ、だいたいは死んでるかヨボヨボですよね。笑 

moving meditationに至ることはないかもしれないけど、好きなことをして健康でいられるのは素晴らしいことだと思います。

 

 

あくまでもただのアーサナのやり方の話です。ヤマ・ニヤマの大切さとか、アーサナ云々以前にアシュタンガヨガをどう取り組むか、という話とはまったく別の話です。

 

それではまた。

ご機嫌よう。