アコーディオンと注射器
少し前まで、雪が降ってないのにフード被るなんてありえねぇ!と息巻いていたのですが、最近ではピュッと風が吹くだけで、スッとフードを被れるようになりました。フード最高。
さて、今日はクラスでも最近話したことですが、アコーディオンをイメージしましょうよ、という話。
アコーディオンに関して説明は不要ですよね。誰でも知ってる蛇腹と鍵盤が一つになっているあれです。
蛇腹を開閉させずにアコーディオンから音を出せるのでしょうか?弾いたことないので知らないのですが、あれって蛇腹の開閉によって空気の出し入れをして、音を出せる仕組みになっているんですよね?ピアニカみたいに。
音が出る出ないは今は関係ないので、置いておきましょう。蛇腹の開閉によって空気の出し入れが起こっていることが、今日のテーマです。
何が言いたいのかというと、蛇腹の開閉と肋骨の動きは同じだと思うよ、ということです。アコーディオンと違って人間には横隔膜があるので、肋骨を積極的に動かさなくても換気はできますが、肋骨を開閉させることによって空気の出し入れを補助してくれます。
アコーディオンの閉じた蛇腹を開いていくと、空気が入ります。反対に開いた蛇腹を閉じると空気が出ていきます。
同じように、肋骨を開くような動作は吸気を促すし、肋骨を閉じるような動作は呼気を促します。
では、肋骨を開くような動作にはどんなものがあるか。腕を上げる、顔を上向きにする、体を反らせる、など。
逆に(ニュートラルな位置にある)肋骨を閉じるような動作は、体を丸める、前屈する、など。開いた状態の肋骨を閉じる動きは、上げていた腕を下ろすとか、上向きの顔の向きを元に戻す、など。
ちゃんと読んでくれた人は気づきますよね。これって太陽礼拝のことやん、って。
呼吸と動作を合わせるヴィンヤサヨガなどで、先生がこう言うのを聞くことありませんか?
「動作に呼吸を合わせるんじゃなくて、呼吸に動作を合わせるんですよ」
って。僕は昔言われたことがあります。呼吸は動きを生み出すので、それは確かにそうだと言えますが、それは呼吸の重要性を説く意味合いが強いようにも思います。だって先に書いたように、逆もまた然りですから。
動作は呼吸を促してくれるんですよ。
だから、太陽礼拝をするとき、ただ漫然と息を吸いながら手を上げるのではなく、その手を上げる動き一つが、顔を上向きにする動作一つが、息を吸うのを促してくれている(肋骨を持ち上げている、開いている)のに気づいて欲しい。
吐きながら前屈、とただやるのではなく、頭上に上げた手を見た体勢から前屈していくその動きの全てが、息を吐かせてくれている(持ち上げられた、開いた肋骨を戻す、閉じていく)ことに気づきましょう。
呼吸と動作の関連性が体で理解できると、自分にとってハードな動きをしてるとき以外は、動作のある限り呼吸は続きます。動作が続いているのに呼吸が止まっているのは、まだその繋がりが感じられていないのだと思います。アコーディオンは開く(閉じる)方向に動いているのに空気が入ってこない(出ていかない)ようなものです。変でしょ、それ。
以前のブログで、僕が見ていて素晴らしいなぁと感じる人のヨガ(太陽礼拝)は、呼吸を見せられているようだ、と書いたことの真意はこれです。動作の全てで息を吸おうとしているし、吐こうとしている。
アシュタンガヨガを練習している人はもうお分かりでしょうけど、太陽礼拝だけじゃないですよね、この原則が当てはまるのは。めちゃ力む動きでは難しいですが、そうじゃないものは是非アコーディオンをイメージしてやってみてください。
ちなみに、肋骨の動きはアコーディオンで説明しましたが、横隔膜の動きと呼吸の関連性(横隔膜から上だけの話ですが)は、『上向きの大きい注射器』でイメージができますよ。呼吸のメイン(専門用語では主動作筋)はこちらです。
呼吸がうまくできないんだよなぁという人は、こういうイメージの力が助けになるかもしれません。試してみてください。
ではまた。