十把一からげにすなっ

2021/03/19 ブログ
前後スプリット

写真を見てください。

うわー、柔らかい!

 

 

今日はそういうことじゃない話。

これで見てもらうのが一番分かりやすいです。より見やすいように右手は不自然に後ろに置いています。確かにもも裏の筋肉(ハムストリング)が柔らかくないと、こういうことは難しいです。だけど、いま見て欲しいのはそこじゃなく、頭と足の甲の距離です。つま先を頭側に引いているとは言え、この時点で髪の毛と足の甲は触れています。なにが言いたいか分かりますか?

 

いかに胴長短足かってことですよー!!

 

これを僕と同じ柔軟性を持つ『胴短長足』の人がやるとどうなるか、頭と足の甲の間にはかなりの隙間ができます。人によっては15〜20cmくらい。羨ましいですね〜。ジーンズ買っても裾上げしなくていいタイプです。この野郎。

ひょっとして、いま初めて自分が胴長短足ってことに気づいちゃった人もいます?どーもすみません、嫌なことに気づかせちゃって。

 

 

はい、では次にいきます。

また写真を見てください。

 

ダンダーサナ

 

もうだいたい何を言いたいか分かりますよね。骨盤をしっかり立てて座ったとき、頑張って肩を下げても、僕の手の平はマットにつきません。

 

丸いダンダーサナ

 

この写真のように、骨盤を後ろに傾けて背中を丸めると(座高を低くすると)、やっと手のひらがぴったりとマットにつきます。ハムストリングがかたい人は、膝を曲げて骨盤が垂直に立つようにしてやってみましょう。どうですか?

胴が短く腕が長い人は、肘を曲げててもマットに手のひらがぴったりつきます。

 

これらは一言で言えば『比率』の違いです。胴の長さに対して、脚の長さや腕の長さが、人によって全然違います。こういう比率は全身至る所で観察できます。比率が違えば、同じアーサナがやり易くもなるし、やりづらくもなります。僕は胴長短足なので、どんなアーサナにどれくらい影響があるかよく分かります。人を見ててもよく分かります。逆に胴短長足の人の気持ちは分からないけど、見てたら「どうやら手足が長い人はこのアーサナをやりづらそうにしてるぞ」ということが見て取れます。

 

このように、体の比率は人それぞれ違いがあります。だけど、同じアーサナをするんです。そりゃ形に違いが出て当然ですよね。やりづらさにうんざりすることもあるでしょう。だけど、そんなことを言い訳に使うのは野暮ってもんです。文句言っちゃなりません。この体で生きていくんです。駅の改札を通過するとき、左利きの人がいちいち文句言わないように。めちゃ背の高い人が台所を使えば腰が辛くなるでしょう。それはもうしゃあない。そういう体なんだもん。どんと来いやー、ってでっかく構える度量を身につけましょう。

 

体の比率のことを考慮に入れず、こうしなさいと十把ひとからげの指導をされることがあるでしょう。それでも心を乱してはなりません。どんと来いやー、の精神です。

 

だけど、です。こんなに練習してるのに、なんでできないんだろう?と悩んでいるアーサナがあれば、それはもしかしたら比率の問題が隠れているかもしれません。比率がそのアーサナに適していなければ、より一層の努力や、別の方向性の努力が必要になります。それが工夫です。そういうのを面白がってやれるようになったら、きっと少しだけ生きやすい世の中に感じられると思います。

 

 

どんと来いやー!です。