学ぶのはおもしろい

2022/08/27 ブログ
朝の日差し

先日、珍しく姉とLINEをしていたら、姉とその娘(高3)が一緒に英検1級の受験をしたというのです。結果は2人とも合格。僕の姉なので今年で50歳です。点数で娘に負けたことを悔しがっている姉を、素直に尊敬しました。いくつになってもチャレンジする人は若々しいですね。

 

 

僕も学生の頃は英語学習が好きだったので、その話を聞いて少し興味が湧きました。YouTubeで英語学習の動画をいくつか観ていたところ、その先生が話していたことに大きく頷きました。先生曰く、

 

 

「英語でのコミュニケーションは、文法など知らなくても、適当に知ってる単語を並べるだけでも伝わるんだ」という人がいますが、僕はそれには反対です。確かにそれでも伝えられることはありますが、「そのレベルで」でしかありません。相手の話していることを正しく理解し、自分の伝えたいことを相手に分かってもらうためには、文法は大切です。

 

 

確かに。ごく初歩のコミュニケーションなら、単語の羅列でも英語圏の方はこちらの意図を汲み取ってくれるでしょう。そのレベルの英語学習を求めるなら、それでいいのだと思います。だけど、求めるものがそうじゃないなら、文法を学び、発音を学び、単語を覚え、表現を覚える必要があります。

 

 

分かってもらえるかと思いますが、僕はヨガの話をしています。何を求めているのか。ただ体を動かせればいいのなら、何も学ぶ必要などありません。体の使い方を学ぶ必要はないし、自分のことを観察する目も、試行錯誤も、集中力も必要ありません。哲学の話なんてスルーすればいいし、呼吸も適当でいい。

 

それがアシュタンガヨガであれば、アーサナの名前も、順番も、正しいヴィンヤサも、何も覚えず、ただ言われるがままに動いていればいいです。少しのカロリーくらいは消費されるでしょう。だけど、そこには共通言語はありません。僕とのアシュタンガヨガに関してのコミュニケーションは、単語を並べただけのものと変わりありません。

 

知識は多ければ良いというものではないかもしれませんが、コミュニケーションの濃度は確実に変わります。5分間の質疑応答をしたとして、例えばアーサナ名を覚えている人が、「ウルドヴァ・ムカ・パシュチモッターナーサナのヴィンヤサを教えてください」と5秒で質問を終えられるものが、覚えていなければ、自分でわざわざ実演したり、「仰向けから転がり起きるあれ」「ん?脚は開いてる?閉じてる?どこを掴んでる?」などという余計なやり取りが必要になります。結果、5分間の濃度は変わりますよね。知りたいことを5つ質問できる人と、2つで終わる人の違いです。

 

Nancy先生のワークショップのときに強くそれを思いました。同じ質疑応答を英語圏で行ったら、通訳を介さない分、少なくとも倍の量のやり取りができるんだよなぁと歯痒さを覚えました。

 

 

もうこの歳で学んだり覚えたりするのはいいわ、という人はいるでしょう。それならそれでいいです。学ぶのも覚えるのも労力が要りますからね。だけど、学べば学んだだけ、覚えた知識が増えた分だけ、試行錯誤の材料は確実に増えます。材料が増えると経験値が上がります。引き出しが増えるわけです。そうなってくると、面白味が増すのだと思います。

 

 

ヨガスタジオミガクは、求められようが求められていなかろうが、最低限の知識を提供します。そのための時間をとることもあります。話とか解説なんて要らないから、さっさと動こうよという人は、まぁちょっと我慢してくださいよ。

 

 

 

あなたはどのレベルでヨガをしたいですか?考えてみてはいかがでしょう。