クンバカ
先日、もう寝ようかなと横になり、天井を見上げて考えごとをしていました。
ヒールアンドトゥってどうやったらできるんやろう?
イメトレしてたんです。やったことないし、やろうと思ったことがなかったので、あーやってこーやって、ってイメトレ。
え?話を進めるな?意味が分からん?ヒールアンドトゥをご存じない?ヨガでよくやるやつじゃないですか。ヒール(かかと)とトゥ(つま先)を使ってやるあれ。
というのは嘘っぱちで、車のマニュアルシフトの運転技術の1つです。速く走りたい人や、マニュアルを楽しみたい人がやるテクニックにそういうのがあるんです。
それを、マニュアル車も持ってないくせに急にイメトレし始めたんです。車ではやったことないけど、バイクではいつも曲がり角でやってるんだよなー、と。結構真剣に左手と両足でイメージしてました。そしたらふと気づくことがありました。
息してなかった。
止めようとしたわけではなくて、止まってた。そういうこと、ありませんか?めっちゃ集中しているときに、ほんの数秒間でしょうが息が止まっていること。
曲がり角を曲がった先に、急に熊が現れたら(北海道ならあり得ない話ではない)、戦うか逃げるかの瞬間にのんびり呼吸なんかしないでしょ?多分止まっていると思うんです。
これは一つのクンバカと呼んでいいんじゃない?と思いました。クンバカとは、止息のことで、プラーナーヤーマ(呼吸法)ではよくおこないます。みなさんが知っているもので言えば、ナディ・ショーダナ(方鼻ずつの呼吸法)で、4カウントで吸って、4カウント止息、8カウントで吐く、のアレです。このプラーナーヤーマの止息は、息を吸ったあとで強制的に呼吸を止めています。これをプーラカ・クンバカと呼びます。反対に吐いたあとの止息をレチャカ・クンバカといいます。
プラーナーヤーマは練習を積んでいくと、どんどん呼吸のカウントが長くなっていきます。クンバカも長くなります。そして最終的に目指しているのが、ケヴァラ・クンバカという状態です。呼吸が極限まで遅くなった先に訪れる自然な止息のことです。強制的に止めようとするクンバカではなくて、自然に止まった状態。
なので、僕のイメトレ中の止息はケヴァラ・クンバカなのでは?と思ってプラーナーヤーマの本を今読み返してみたのですが、ええ、そんなわけはありませんでした。ただ止まっていた呼吸と、ケヴァラ・クンバカはまったく違います。
アーサナをしているとき、自分にとって難しくてめちゃ集中するものがありますよね。そんなとき、呼吸は止まっていることがあると思うんです。それを、「ダメダメ、呼吸止めちゃダメ!」と思う必要はないんじゃないかと。呼吸を止めない方ができるよ、というのは、もうできるようになった人の理論のような気がします(そういうアーサナがあるのも事実ですが)。めちゃめちゃ集中力を要するとき、そりゃ止まりますって。だけど、練習を重ねていけば、自然と呼吸をする余裕が出てきます。なので、焦って呼吸しなきゃ!と思わずに、そのうち呼吸できるようになるさ、くらいに気楽に構えていていいと思います。その自然な呼吸ができるようになって初めて、そのアーサナができるようになった、と言えるのではないでしょうか。
今日はクンバカという言葉があるよ、という話でした。
さえちゃんが可愛すぎて、もうクンバカっ!(それは親バカ)