先生
さっきクラスを終え、スタジオを出て歩き始めてすぐ、30mくらい先からこちらに向かって歩いてくるおじさんが見えました。そのときおじさんは、今まさに袋を開けて中身を取り出し、何かを食べようとしている。その時刻、札幌市東区の気温はー7℃くらい。この寒空の下で自宅に着くまで我慢できないほど食べたい物って何さ。寒さを紛らわせてくれるような熱々の何かならまだ分かる。が、そんなものはビニール袋には入っていないし、湯気は立っていない。近づいてくる。近づいてくる!何食べようとしてるのさ!?
ウソぉん。嘘やろ。それ、アイスやん。チョコでコーティングされているとは言え、Happy Valentine to me!って言うにはちょこっと寒いでしょ〜。
20代まではドラマや映画で、編集者が作家に対して「先生!」と呼んでいる意味が分かりませんでした。何の先生なの?と。
30代に入った頃から少しずつ本を読むようになりましたが、その頃はまだやはり「先生!」の意味は分からないまま。
40代も中頃になった辺りから、「ああ、作家は先生だわ」と思うようになりました(編集者が言う先生と同じ意味かは分かりませんが)。小説やエッセイ、漫画も、本という本(ドラマも映画も)はいろんな大切なことを教えてくれます。僕は人付き合いが苦手なので、スタジオを一歩出たらあまりコミュニケーションをとることはありません。職業柄、同僚はいないですし、同業者との横の繋がりも僕にはありません。なので、スタジオ外での直接のコミュニケーションから何かを教わることは少ないです。その足りない分を、本や映画などから補っているような感じです。
昨日、初めてのことを体験しました。ずーっと昔からやってみたかったのですが、近くにそれを習う施設がなかったので、やらずにこの歳になってしまった。が、先日、車で信号待ちをしているときに目をやった先に、それを見つけたのです。こんなところにできてるやん!早速体験の予約をして、昨日やってきました。もう無茶くちゃしんどかった。体験で来てる初めての人にどんだけやらすねん。もう腕上がらんわ。
帰ってから思ったんです。「あれはないやろ〜。やらせ過ぎやろ〜」って。ちょっと言い過ぎではありますが、いわゆる反面教師にしようと思いました。
が、しかし!
再び思ったんです。
あれ?俺同じことを整えヨガに体験で来てくれた人にやってなかったか?と。最近の整えヨガはやさしくなりましたが、以前の整えヨガは結構キツかった。あら〜、同じことやってましたわ。そのことに気づいてから、めっちゃ反省しました。そっかぁ、こんな気分やったんやな。いま残ってくれている人たち、根性あるわ。
どんな人からも教わることはありますね。そこかしこに先生がおるわ。もの凄く大きな学びとなりました。初めてヨガする人にもっとやさしい整えヨガやアシュタンガにしよーっと。
ひょっとして、マイナス7℃の外気の中で食べるアイスは、あまり冷たく感じないのだろうか。むしろ温まる??んなわけあるかーい。