どうやるか
手書きかよ。
パソコンでちゃちゃちゃーっとやれればいいのでしょうが、手書きの方が速いのでいいんです。
さて、これが何を示しているかというと、何かのアーサナで、身体のA地点からB地点までを伸ばそうとしている場面です。途中にあるC地点は中経地点です。分かりやすくするために直線で書いていますが、実際にはこんなことはあり得ません。
この写真では、上の2本の線より、下の2本の線の方が長くなっています。これはストレッチされたんだな、と思ってください。途中のC地点が黒い鞘で隠されています。
何が言いたいかというと、「アーサナをどうやるか」ということです。黒い鞘はまさにブラックボックス。分かる人が見れば全然ブラックボックスではなくて、オープンな状態なんですけど、知識がなかったり、ちゃんと教わらないままやっている人にとっては、未知な部分なのだと思います。
黒い鞘を取り除いたところがこれです。A地点からB地点までの長さは同じですが、中経地点のC地点の場所が違う。全体像を見ればあまり違いがないように見えても、よく見ると全然違う、という例です。
上の人はA〜CもC〜Bも同じくらい伸びてるけど、下の人はA〜Cがすごく伸びてて、C〜Bはほとんど伸びてない。
どちらが良いということはなくて、それはアーサナにより、その人の身体によって違います。
だけど、ある程度確信を持って言っていえるのは、アーサナには目的があるということです。ここを伸ばしたい、ここを開きたい、など。具体的にはAからCまではあまり動かさず、CからBまでを伸ばしたい、みたいに。限局化するってことです。アーサナが分かっている人と、そうじゃない人の違いは、この限局化ができているか、否か、ということが一つ言えると思います。
上記のように、AからCまではあまり動かさず、CからBまでを伸ばしたいのに、AからCを伸ばしてしまう人がいます。理由はいろいろです。
・やり方が分かってないだけ
・AからCを伸ばさないように固定しておく力が弱い
・CからBまでがかたくて伸びないので、AからCまでの伸びで補ってしまっている
他にもあるでしょうが、よくあるのはこの3つです。分かってないのは、学べばいいだけです。アーサナの目的の一つは、その下の2つをなんとかすることです。弱いなら強く、かたいなら柔らかく。それを難しいと感じるのが、その時点でのその人の身体の特徴ってことです。まずはそれを知りましょう。
厄介なのは自分の体の特徴や、アーサナのやり方の間違いに気づいているのに、見栄を張るように全体像で誤魔化してしまう性格。これだといつまで経っても成長がないし、弱いところは弱いまんま、伸びないところは硬いまんまなのに全体像だけできる人を装ってしまうので、場合によっては身体を痛めます。これはその心の部分をどうにかできるかどうか、なのかもしれません。
ちゃんとアーサナを教えたいインストラクターにとっては、生徒さんが身体のどこを使って、どこを使えていないのかを見抜くのは大事なことだと思います。その人の身体を守るため、その人の身体をより良くしていくため、そして良いところをさらに伸ばしていくために。
一方で、ヨガを伝えるって、こんな身体だけのことではまったくないので、そんなのどうだっていいというインストラクターもいらっしゃることでしょう。ほんとにそうだと思います。ただ僕はおもしろいなぁと思うので、身体を見ているだけです。
アーサナには唯一の正しいやり方ある、というよりも、どういう意図を持ってやるのか、だと思っています。知識があれば様々な組み合わせで意図を持った試行錯誤ができます。そういう意味では知識ってある程度あると役に立つなぁと思います。