具体的なイメージ(小林ver.)

2023/08/16 ブログ
全体図

身体を扱うとき、イメージしますか?

僕はかなりイメージをします。苦手なアーサナや困難なアーサナで、どのように身体を使おうかイメージします。逆に、イメージできないものをできるようになるとは思っていません。イメージできたことだけ、身体でできるようになると思う。偶然は除いて。

 

身体を反らせる、別の言い方をすれば、体の前側を開くようなアーサナをするとき、うまくやらないと腰を痛めます。腰を痛めないように、且つ、よりよく反らせられるように(身体の前側を開き伸ばせるように)、どのようにイメージしたらできるのか。それは人それぞれでしょう。

今日は最近の僕がイメージしていることと、それに関連したことを書き記そうと思います。

 

最初の写真の赤枠で囲った部分をアップにしたものがコレ。最近は良いアプリがあるお陰で助かってます(今まで購入したアプリの中で最も高額だったけど)。

 

 

アップ

 

さらにそれを右側から見て、寛骨を取り除いたものがコレ。数字が振ってあるものは、腰椎3番、4番、5番です。これ以降、腰椎はL、仙骨はS1と表記します。

 

 

アップ

 

白い矢印が書いてあるでしょ。反るアーサナで痛めやすいところって、大抵は腰椎の4〜5の間か、5〜S1の間だと思います。自分はそうじゃないという方は、ご自身の場所に当てはめてイメージしてください。

 

背骨の1つの骨の単位を椎骨(ついこつ)といい、椎骨(の前側)の横から見て四角い部分(数字が書かれているところ)を椎体といいます。ここでは省かれていますが、椎体と椎体の間の空間には、椎間板があります。

 

先に少しだけ解剖学の理解を深めておきましょう。背骨を後ろから見ると、赤丸で囲っている部分に関節があります。左右で一対になっており、これを椎間関節と呼びます。

 

 

椎間関節

 

この椎間関節は、関節というくらいなので、下の椎骨の上関節突起と、上の椎骨の下関節突起が重なり合うようにして関節を形成しています(イラストはL4とL5)。

 

 

関節突起

 

前屈のときは下の椎骨の上関節突起に対して、上の椎骨の下関節突起が青い矢印の方向に滑り上がります。この場合、「関節が開く」と表現します。

 

 

前屈

 

今日のテーマの反る動作の場合は、下の椎骨の上関節突起に対して、上の椎骨の下関節突起が赤い矢印の方向に滑り下ります。この場合、「関節が閉じる」と表現します。

 

 

反る

 

反る動作で腰が痛くなるときは、いろんな原因があるでしょうが、一つには、この椎間関節が閉じる動きで、負荷が大きく掛かり過ぎて、圧迫が強くなるためだと考えられます。

 

では具体的に説明します。

僕は腰椎5番と仙骨の間に圧迫による痛みを起こしやすいので、そこはあまり反らせたくないんです。L5〜S1を圧迫させないように守りながら、それ以外の背骨を使って反らせたい。

 

その場合は、3枚目のイラストの、L5とS1間の椎体の前側が広がらないように意識しながら、下のイラストのように(L1〜3)、他の椎体の前側を押し出しながら開くようにイメージしています。

 

 

反るイメージ

 

腰に対してはこのイメージで、胸椎・胸郭に対してはまた違ったイメージで取り組んでいます。

 

僕はよく大雑把に「下腹部締めて」と言いますが、その理由のイメージが下のイラストです。先ほど、反って痛めやすい場所(腰椎分離・すべり症が起こりやすい場所も)は大体L4〜5、L5〜S1だと書きましたが、その間の延長線上(赤い矢印で示す)に当たるのが、下腹部辺りなんです。

 

 

下腹部で守る

 

もう少し具体的に見せると、下のイラストで見ると、L3の正面辺りに臍があります。なので、臍から下の下腹部を締めておければ、L4〜5、L5〜S1が過剰に反るのを防ぐ効果は期待できます。

イラストには腹直筋を残しているので、こいつを締めるのか、と思うかも知れませんが、正直に言うと、どの筋肉を引き締めて、どれを緩めるとかどうでもいいんです。その動作に必要な力を使いつつ、要らない力を抜くだけです。

引き締めつつ、お腹を伸ばさないといけないって難しいですね。

 

 

L3と臍

それをもっと細やかなイメージでやると、上で説明した通りになります。

 

目の前で模型を使って解説すると分かりやすいのですが、イラストと文章では限界がありますね。伝わればいいんだけど。

 

 

 

これはあくまで僕のイメージであって、正しいやり方であるとは言いません。

 

誰かの何かのヒントになれたら幸いです。

ではまた。