ペース

2023/10/20 ブログ
大通公園 久しぶり

僕はサイクリングが好きです。なにが好きかと言えば、あのペースがちょうど良いのだと思う。僕のサイクリングのペースはとてものんびりで、前のめり感ゼロ。きれいな景色を眺めたり、素敵な建物を見たり、通ったことのない道を見つけたら取り敢えず入ってみたり。そういうのが好きです。

 

ドライブも好きですけど、車だと目的地までの移動で使うことが多いので、サイクリングほど周りの景色を楽しめない。

 

散歩も好きなんですけど、わざわざ車や地下鉄で移動してから散歩するほどではないので、結局近場の同じようなところを歩くことになる。東区を歩いててもあんまりおもしろくない。東京だったらずっと歩いていたいだろうなぁ。

 

となると、移動できる距離も、疲労度も、辺りをのんびり見て回るのにも、やっぱり自転車が僕には一番合ってる。雨の日や冬はできないんだけど。

 

 

何が言いたいのかと言うと、その人の目的に合ったやり方やペースがありますよね、ってことです。

 

車のスピードを上げれば上げるほど、視界はどんどん狭くなってきます。サーキットを時速200kmで走る人が、観客一人ひとりの表情を見て楽しむ余裕はありませんよね。だけど、もの凄く集中しています。

 

散歩している人は、道端に咲く花を愛でることも、空や雲の綺麗さを眺めることも、その場の空気感を味わうこともできます。それは何かに集中するというより、感覚を楽しむみたいな感じでしょうか。

 

以前、Nancy先生のマイソールに参加したとき、プライマリーを50分くらい(だったような…)で終える広島の先生が近くにいたんです。試しについていってみようとトライしました。普段の自分のペースよりかなり力強く呼吸をして、すごく速くやったつもりだったけど、全然ついていけなかった。ついていけなかったことが結論ではなくて、一切余計なことを考える余地がないくらい集中した、ってことです。

だけどもこれを、まだプライマリーを確立できてない人がやろうとすると、ただ浅い呼吸で破綻したアーサナを速くやるだけになる。

速くやると集中できるけど、その技術がないとめちゃくちゃになりやすい。

 

ゆっくり深〜い呼吸で身体の隅々まで意識しながら練習すると、身体を適切に扱えるし、呼吸への意識もしっかりできる。だけど、余計なことを考えるゆとりもあるので、意識が散漫になりやすい。

 

 

アシュタンガヨガを所謂「動く瞑想」としてやりたいのなら、それにはその人に合った適切なペースがあると思う。レッドクラスのペースがそれだろ!と言われるかもしれませんが、僕はそのように思っていません。レッドクラスのペースでも集中を維持することや、アーサナを持続させるだけの筋力や体力を養うこと、我を引っ込めてただ従う練習も、レッドクラスの意義としてはとても大切だと思います。ですがそのペースが各人にとって適切だとは思わない。

 

レーシングドライバーなら時速150kmでも周りの景色を眺める余裕があるかもしれませんが、運転が苦手な初心者は100km/hでも視界はめっちゃ狭くなるでしょう。身体は緊張するし、当然心も緊張する。適切な運転技術を用いることも難しいでしょう。

 

だから、その人が身体を適切に扱いながら、呼吸への意識も疎かにせずできるペース。それを見つけることが大事だと思います。そして技術の変化に対応して、集中を維持できるペースにすればいいと思う。

 

誰かが決めた「これがアシュタンガヨガのペース」というものに従うことが大事だと思うならそれをすればいいし、自分のためのヨガをしたいと思うのなら、自分にとって適切なやり方・ペースで練習すればいいと思う。

 

動く瞑想とか目指してないし。という方もいらっしゃるでしょう。そういう方は、自分の目的に合ったやり方を選べばいいんじゃないかなぁと思います。

 

 

散歩のペースで見えるもの・感じられること、自転車のペース、車のペース。そしてそれぞれの目的。自分なりのものを見つけましょう。

誰かに強制されて矯正されるようなヨガではなく、あなた自身のヨガを練習すればいいやん。僕がサイクリングを好きで、その好きなペースがあるように。

 

 

 

 

少し前にブログはサラッと書くことにするって…