呼吸のはなし

2024/04/23 ブログ
実物は動いてます

『アンタッチャブルの早速行ってみた』が福井県だよ、とLINEで教わり、すぐに観ました。というわけで、月初に里帰りしたときの福井駅前の恐竜の写真でした。

 

 

 

呼吸のイメージの話です。

今回も「こうしましょう」ということではなくて、僕はこういうイメージでやってますって話です。

 

呼吸が楽にできるアーサナのことを書いてもしょうがないので、呼吸がやりづらい、自分にとって困難なアーサナでの呼吸について。

 

例えばこんなイメージはどうでしょう。

「満員電車にどう乗り込むか」

 

どんなアーサナでもいいのですが、キツくて呼吸がやりづらい。そんなとき、がんばって吸おうとしていませんか?僕のイメージでは、困難な状況でがんばって息を吸おうとするのは、満員電車に無理やり押し込むように乗り込む感じ。

 

既に乗っている人は、ホームで待ってた人たちが無理やり乗り込んできたら、ちょっと抵抗しちゃいませんか?心情として。「こっちはいっぱいなんだ。次のに乗れよ」って。

 

なので、そんなときは強引さを捨てる。いきなりがんばって吸おうとしない。「すみませんね、ちょっと乗せてもらってもいいですか?」というくらいの低姿勢で、ご機嫌を伺うようにしながら、少しずつ乗り込む。ほんとは15人くらい乗り込ませたくても、まずは2〜3人で充分。

 

もう有り得ない状況としてイメージしてくださいね。

 

2〜3人乗り込んだところで、いったん全員下車する。で、「奥の方に入れば、もう少し乗れるんじゃない?」って、またみんな乗り込んで、さっきよりもう少し多く乗り込む。

 

また一回全員降りて、「次は大きな荷物を持ってる人は荷物を棚に上げて、お子さんはお父さんお母さんの膝の上に座らせてみよう」と、相談してさらに多く乗せる。

 

もう一度みんな降りて、「じゃあ次は私は連結通路のところに行きますよ」なんて人が現れたら、さらにもう少し乗れます。

 

 

という感じで、少しずつ取り込む量を増やしていく。吐くときは全部出すのが、毎回の決まり事として。

 

苦しいのに強引に乗り込むのは、やってやれなくはないですけど、中の押された人が窓にぶつかってケガをしたり、窓ガラスが割れたりするかもしれない。それは穏やかじゃないでしょう?

 

なので、どこになら乗るスペースがあるかなぁ、と探りながら吸うんです。がんばらないで。すると、ちょっとずつ呼吸は広がっていきますから。もちろん限界はあります。だけど、アーサナの練習と呼吸の練習をしていれば、ちょっとずつ乗り込む車輌自体が大きくなってきます。

 

ヨガを始めたばかりの頃は、がんばって10人乗せられるくらいのサイズかもしれない。だけど、アーサナと「ご機嫌うかがいの呼吸」をしていると、肋骨間の柔軟性が増したり、腹筋や背中が柔らかくなり、内臓も動きが出てきて、あわよくば内臓脂肪なんかも減ってくれると、実際の車輌サイズは変わらなくても、鉄板で覆われていたものが、伸びる新素材の車輌になってきて、20人、30人と乗り込めるようになるんです。

 

無理やりな呼吸で、10人乗って、10人降ろして、また10人乗って、とやっていても、あんまり呼吸は深まらないんですよねー。

 

これをするためには、冷静さが必要です。青スジ立てて強引にやっているときは、無駄な力が抜けていなかったり、入れておくべき力が抜けていたりします。最初はしょうがありません。だけど、何度も練習を重ねて、冷静さを獲得し、抜くべきところは抜き、入れておくべきところは入れ、そして強引さを捨てて呼吸をする。習熟度が増してくると、最初の呼吸から冷静でいられるし、30人の出し入れが可能になる。これが、そのアーサナに熟達した状態であると言えるんじゃないかなぁと思います。

 

 

満員電車がダメなら、ビニール袋に野菜詰め放題のあれでもいいかもしれません。最初は「得してやるーーーっ!」と鼻息荒く血眼になって、ビニール袋を破らんばかりの勢いで詰め込むかもしれません。だけど回数を重ねて冷静になってくると、うまく詰められますよね。

 

 

どちらにせよ、強引さではなく、冷静さを持ってスペースを探りながら入れる、がキーワードだと思います。なるほど、と思った人はやってみて。

 

 

 

 

良純さん、福井県に詳しいなぁ。

あー、辛味の効いたおろし蕎麦が食べたい。