前屈での腰痛対策
今朝、スタジオで着替えるとき、社会の窓が全開だったことに気づきました。OMG!
「社会の窓」がわかる方は、昭和ですね。女性バージョンは「理科の窓」らしいですよ。知りませんでした。
さて今日は100人に1人くらいの役には立つかな、というイメージの話です。
前屈で腰痛対策をしよう、という内容ではなくて、前屈で腰痛が出る人の対策の話です。
後屈ではなくて、前屈で腰が痛くなる人はいませんか?それぞれにいろんな原因があって、長くなりすぎるので書きませんが、その中には今日のイメージと実践が助けになる人もいるかもしれません。
まず、いきなり難しいかもしれませんが、呼吸に伴った骨盤底の動きを感じられますか?息を吸うと横隔膜が下がり(実際には逆で、横隔膜が下がるから息を吸える)、横隔膜が内臓を下に押し、行き場のなくなった内臓が前に押し出されるからお腹が膨らみます。同じ理屈で圧が骨盤底にもかかるので、骨盤底は膨らみます。お腹みたいな大きな動きはないので、よーく感じないと分からないかもしれませんけど。分からない人は、手を当てて深く呼吸をすると分かるかもしれないし、湯舟に浸かってお湯の圧を受けながらやってみると分かるかもしれない。
前屈をすると、お腹側が圧縮されます(前屈のすべてを股関節だけでやろうとする人は、良くも悪くもお腹は圧縮を受けにくくなります)。圧縮を受ける側は圧が高まるので、前屈していないときほどお腹は膨らめなくなります。すると、その圧はどこに逃げるのか。圧の低い背面です(横隔膜が下がれなくなると胸に行くでしょう)。腰に内側から外側に向かった圧がかかると、普段から腰を圧縮させて立つ姿勢の人や、腰の筋肉を緊張させるタイプの腰痛の人は、腰の痛みが和らぎます。こういう人にとっては内部から腰に向けての圧は、助けになります。
問題は逆のタイプです。内側から圧がかかることで腰痛を引き起こす人。典型的なのは椎間板ヘルニアだと思います。ヘルニアまでいかなくても、普段から腰に似たような圧や負荷をかける動作が多い人や、そういう姿勢でいることが多い人は、前屈での内側からの圧がマイナスに働くかもしれません。
このタイプの解決策は、
・ハムストリングを柔らかくすること。といってもそう簡単じゃない。
・ひざを曲げて、腰の曲がりを少なくすること。これが最もポピュラー。
・圧がかかっても嫌な感じが出ない程度のところに前屈をとどめる。
・深い呼吸はしない。
そんな感じでしょうか。
僕はこの前屈で腰が痛くなりやすいタイプなんです。骨格的なことや筋肉のつきやすい場所、そして長年培ってきた普段の座り姿勢の悪さ(培うな)によって、もともと腰に過剰な柔軟性があったことが原因になり、このタイプになりました。普段は腰痛はありませんが、腰の曲がりが強くなることをすると、気をつけないと痛みが出ます。
ついてこれてますか?もう読み飛ばしてますか?これからやっと本題ですよ。続きは明日読んでもいいですからね。
上で書いた解決策以外にないのか?って話です。あるんです。それは内側からの圧の言いなりにはならない、ということ。シンプルに言うと「腰を守る」ことです。どうやって守るのかというと、最低限の緊張感を残しておくんです。ガチガチに緊張させとけば腰は痛めませんけど、前屈にもなりません。「前屈をしつつも最低限の緊張感を保ち、腰を守る」が目指すところです。それをどうやるのか。
これは僕のイメージです。どんなイメージでもいいけど、僕にはこれがいい感じなので、それを紹介します。
上で書いたように息を吸うと圧がかかります。僕はアーサナ中は骨盤底を軽く引き上げるような力を使っているので、骨盤底は膨らみません。それと同じことを背面でおこなうのです。どこでイメージし、実践するのか。下の図を見てください。骨盤の真ん中の骨の仙骨を拡大した図です。
赤い丸をつけているのが、「仙骨孔(せんこつこう)」という穴で、神経の通り道です。ここに骨盤底と同じようなようなイメージを適用するのです。仙骨には背筋が付着し、覆っています。このように(表面のものは剥がしてあります)。
イメージするときは仙骨に膜が付着しているような感じです。息を吸ってお腹や骨盤底が押し出されて膨らむ、のと同じように、仙骨孔を覆っている膜も、内側からの圧によって膨らむ(例えるならチューイングガムを口で膨らませて風船を作るみたいに)イメージです。その膨らもうとする力を抑える。僕が骨盤底が膨らまないように引き上げているのと同じ感じです、仙骨孔が膨らまないようにちょっとだけ緊張させる。その力はわずかなので、前屈を邪魔するほどではないけど、腰に対する圧を抑える程度の力はあります。圧の強さに応じて微調整は必要です。
ね?最初に書いたでしょ?100人に1人だって。
前屈での腰痛に悩む誰かの助けになれば幸いです。
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